2013年6月18日火曜日

霞町音楽会 第5回 は素晴らしい音楽会でした!

代官山の一等地にあるヒルサイドテラス。その地下にあるギャラリーPLAZAは、街の喧騒から隔絶された、独自の空気感を持つ綺麗な地下室。ところが、音響機器がセットされ、真ん中に舞台が配置され、椅子が並び、そしてピアノが置かれると、音楽が聴こえてきそうな、オーディエンスの歓声が聴こえてきそうな錯覚に陥ります。さらに壁面に町野三佐紀インスタレーション作品が映し出されると、会場全体に血が通い熱を帯びてくる・・・・・そんなドキドキする期待感が満ちてきます。
 さらに開演が近づいてくると、
撮影:今元秀明
満員御礼!

18時30分、本日最初の出演アーティスト、オオフジツボが登場。
撮影:今元秀明
オオフジツボ公式ホームページのトップ画面に、“風を切る哀愁 空駆ける旅情”というフレーズが掲載されていますが、まさにその言葉通りの情感あふれる演奏。ときおりたたみこむようなフレーズを“奏破”する壺井彰久のヴァイオリンに息をするのを忘れるほどで、聴く方も心地良い緊張感があります。とにかく驚異的なテクニックで美しいメロディが奏でられ、ヴァイオリン/ギター/アコーディオンの調和が見事!
撮影:今元秀明
5曲目の「雨の観覧車」では、まさにインスタレーションと音楽がぴたりと融合した瞬間で、眼前のあまりに美しい光景に息がとまってしまいます。
撮影:今元秀明
アイリッシュ音楽に影響を受けた音楽性をオリジナル楽曲に転化し、抜群の演奏力で聴かせるパフォーマンスに圧倒されました。

   オオフジツボ Song List
1.Eternal Reflection
2.yumenoato
3.光り踊る波
4.Alexandrite set
5.雨の観覧車
6.暁の地平
 2nd ステージは、ジャズ・ピアニスト 平戸祐介
撮影:今元秀明
 1曲目から、音が踊っているかのような華麗なるプレイに圧倒されてしまったのですが、スリリングでありながら色気を放つ演奏をピアノ越しに観ながら楽しめるのも、霞町音楽会 第5回の醍醐味のひとつでしょう。
撮影:今元秀明
 縦横無尽に自由にピアノを操る平戸祐介。突き抜けるような演奏で会場を躍動させます。
撮影:今元秀明
演奏の緊迫感とうらはらに、トークはお茶目といいますかユーモアたっぷりでして、それがまた平戸祐介の魅力のひとつ。

ところで、この写真でもおわかりのとおり、お客様がアーティストを取り囲む舞台設定では、どの場所で観ても楽しめることと、どの場所でも音が一緒で、しかも良い音で聴こえなければなりません。それはなかなかムズカシイことなのですが、舞台の周囲に置かれている、オブジェのようなこの自立式円柱型魔法的スピーカー、
これが霞町音楽会 第5回のキモ、であります。

3曲終わったところで、ついにbird 登場です!

撮影:今元秀明
平戸祐介に寄り添うように唄うbird。こんなステキなコラボレーションは他ではなかなか観ることができません!2011年12月に発売され、iTunesトップジャズソングになった、「生まれたてのメロディ」は、やはり名曲!

   平戸祐介 feat. bird Song List
1.FOUR
2.26-2
3.From day to day
4.Love Is A Losing Game〔with bird〕
5.生まれたてのメロディ〔with bird〕
6.nascimento

3rd ステージは、脱藩ギタリスト いちむじんがステージに!
撮影:今元秀明
 クラシック・ギターの概念を完全に変えてしまったイケメン2人です。2人合わせて12本の弦でこんなにも力強く、色彩豊かなアンサンブルができるものなのか!と驚きのステージ。もちろんテクニックが凄いだけでなく、まるでギターの“音が歌う”かのよう。
撮影:今元秀明
しかも、5曲目の「Rosso Rosa」では、観客総立ち!クラシック・ギターのステージでこんなすごい光景は初めて観ました。
撮影:今元秀明
最初のステージに出演したオオフジツボのヴァイオリニスト 壺井彰久がゲストで登場。曲は、いちむじんの代表作品でもあるNHK大河ドラマ「龍馬伝」紀行のテーマ曲。インスタレーションと音楽、お客様までもが一体となって溶け合う美しい瞬間でした。

   いちむじん Song List
1.Made In France
2.情熱大陸
3.ソライロ
4.ひだまり
5.Rosso Rosa
6.スパイス
7.あじさい
8.龍馬伝〔with 壺井彰久 from オオフジツボ

ところで、霞町音楽会 第4回に続いて、食事は欧風料理が美味しい、メゾン・ド・ハズキが会場内2ヶ所にカウンターを設置しまして、

客席に持参しやすいよう、美味しい欧風料理のメニューは串に刺されてご用意いただきました。
ほんっと、美味しいんです!

 もちろん、お酒、ソフトドリンク類も豊富。


さて、3アーティストの出演が大盛況のうちに終了しましたが、霞町音楽会はここで終わりではありません。霞町音楽会“名物”(?)のアンコール・セッションがありました。
どの音楽イベントでも、アンコールで出演したアーティストがステージ上に集まって演奏する、というのはよくあることですが、たいてい出演したアーティストの共通項である楽曲を探して、アドリブ合戦して盛り上がっておしまい、のパターンが多々みられます。しかし、霞町音楽会のアンコール・セッションは、主催者代表が選曲を提案しちゃう、ということが何となく定番化しており、今回も主催者代表指定曲合同演奏スタイルです。
今回はオオフジツボ ギタリスト太田光宏がアレンジを担当です。
撮影:今元秀明
1曲目は、名画「ニュー・シネマ・パラダイス」のテーマ曲ですが、曲名を発表したとたん、客席から大きな歓声が!
撮影:今元秀明
名うての演奏家たちが名曲を演奏する、その完成度たるや珠玉のものであります。 
撮影:今元秀明
さて、2曲目はチック・コリア作曲の「スペイン」。難易度高いこの曲を演奏するとあって、メンバーの集中力が火花散る瞬間でした。
     アンコール・セッション Song List          
1.映画「ニュー・シネマ・パラダイス」のテーマ
2.スペイン

インスタレーションを背景にして、研ぎ澄まされた感性で紡ぎだす音楽を超ハイレベルな演奏で体感した霞町音楽会 第5回でした。

次回、第6回は10月に開催です。素晴らしいアーティストにご出演いただきますので、
ご期待ください!