2013年6月28日金曜日

中村まり インタビュー〔再掲載〕

第4回
でもキミ、インディゴ・ガールズは、こういうギターを弾いていると思うよ。
教えてくれた楽器屋のおじさんに私の作品を聴いてほしい



----- ところで、今お使いになっているギター(インタビュー冒頭の写真で手にしているマーティン000-18)のおはなしを伺いたいのですが、もう長く使ってらっしゃるのですか? 

たぶん・・・、2006年か2007年頃手に入れたと思うので、ここ5〜6年くらいですね。

----- 使用ギターの変遷といいますか、000-18にいきつくまでに何本かあったと思うのですが。

そうですね、この1本前がマーティンの中でも比較的安く買える、学生時代に買ったD-1というモデルで、しかもバンドの中で演奏することに対応しなきゃいけないと思っていたので、エレクトリック化されているもので、さらに何故かカッタウェイがついているモデルだったんですけど、それをしばらく使ってました。最初の自主制作盤と1stアルバムまではそのギターで録りましたね。さらにその前はヤマハのエレ・アコだったりアコースティック・ギターを使ったりしていましたね。

----- 最初に買ったアコースティック・ギターはどんなものでした?

一番最初のギターもヤマハのもので、アメリカの中古楽器屋さんで3万円〜4万円くらいで買ったんですけど、そう!その楽器屋のおじさんがすごく良い人だったんです!今にして思えば、そのおじさんのひとことがなかったら、多分私はアコースティック・ギターを買ってないんですよ。

----- っということは現在の中村まりさんを産んだ恩人かもしれない。それはすごい話じゃないですか!

とにかくその頃、私はインディゴ・ガールズ(※注)が好きで、インディゴ・ガールズみたいな音楽を演りたいって思ってたんですよ。でも一番最初のギターはクラシック・ギターだったので、クラシック・ギターの音じゃないな、ということは薄々感じていたので、とにかくインディゴガールズみたいなスチール弦のアコースティック・ギターを買おうと思って、その中古楽器屋さんに行ったんですよ。

----- ちなみにどこの楽器屋さんです?

たぶんふつうの、当時住んでいた街のモールに入っていた、何の変哲もない楽器屋だったと思います。で、多分ちょうどいい値段、日本円で3万くらいの一番安いギターを弾かせてもらったんですね。するとナイロン弦の、それまで持っていたクラシック・ギターと比べて弦と弦の間隔が狭いわけですよね、それにまず衝撃を受けて・・・。これじゃあ指が入らないじゃないかと(笑)。こんな指が入らないギターは弾けないじゃないかって焦ったんですよ。それで、これは無理かもな、と。

----- あ、インディゴ・ガールズ無理かもなぁ、と。

そう(笑)。そしたらそんな私の様子を見ていたお店のおじさんが、「でもキミ、インディゴ・ガールズは、こういうギターを弾いていると思うよ。」って言ってくれて。
それで、やっぱりそうなんだ!これに慣れなきゃ仕方ないんだと思い直して、買ったんですよね。だからそのおじさんの一言がなかったら、アコースティック・ギターは買ってなかったですよね。
今にして思えば、まだ何もわかってない子に対して、それ以上のことは言わないで、ただ一言教えてくれたのが良かったなぁって思って。

----- そのおじさんに、中村さんの今の作品、聴かせてあげたいですね。

そうですね、聴いて欲しいですね。ほんっと、そのおじさんってキッカケだなぁ。あと、アメリカでは私、ギター・アンサンブルというクラブに入っていたんですけど、その先生も重要なキッカケとなる人ですね。その先生にインディゴ・ガールズや当時アンプラグドをリリースしたばかりのエリック・クラプトンなど、いろいろ教えてもらいました。そういう、ルーツ・ミュージックに通じうる人たちを教えてくださいましたね。


※注:Indigo Girls / インディゴ・ガールズ
ジョージア州出身のエミリー・レイとエミリー・セイリアーズによるデュオ。1985年に自主制作アルバムを発表し、活動が評判になり1988年Epic Recordsと契約。1989年アルバム『Indigo Girls』でデビューし、これが全米22位、50万枚を超える売り上げを記録。グラミー賞のフォーク部門を受賞するなど、好評を博した。

※このインタビューは今年の1月に霞町音楽会のオフィシャルホームページに掲載した記事の再掲載です。

中村まりオフィシャルサイト http://www.marinakamura.net/


★近日のライブ予定
 ■7月20日(土) 下北沢lete〔ソロ・ワンマン〕
  open 19:00 / start 20:00 予約2,300円+drink / 当日2,600円+drink
  ※メール予約:lete
 
 ■8月1日(木) 渋谷クアトロ “3213 SESSION”
  出演:中村まり with 安宅浩司(g)
  ※2マン公演です。出演者の詳細は後日お知らせ致します。
  open 19:00 / start 19:30 前売3,500円 / 当日4,000円(ドリンク別500円)
  ※チケット発売 7月13日(土)〜

 ■“塚本功 & 中村まり 2DAYS” 
  8月10日(土) 浜松 ESQUERITA68
   出演:中村まり、塚本功
   open 18:00 / start 19:00 前売2,500円 / 当日3,000円(共にドリンク別)
   ※限定40名
   お問い合わせ:ESQUERITA68 esquerita68@gmail.com 053-485-9968

  8月11日(日) 名古屋金山ブラジルコーヒー
   出演:中村まり、塚本功、(ゲスト小川真一)
   open 19:30 / start 20:00 前売2,500円 / 当日3,000円(共にドリンク別)