2013年9月7日土曜日

来日アーティスト Pick up Huey Lewis & The News(ヒューイ・ルイス & ザ・ニュース)

〔SOUND FINDER 営業日記!〕 推薦公演 vol.004 レコードを聴いてライブに行こう!

“ ロックンロール兄貴 ”が来日!「ハート・オブ・ロックンロール」を聴いて、スカッとしたい! さぁ!兄貴に逢いに行こう!!


'50年、ヒューイ・ルイスは、ニューヨークに生まれてすぐサンフランシスコへ移住。母親がヒッピー思想家で、白人でありながら黒人居住区に住んでいたという、当時としては特異な環境の中にあり、自然にR&Bなどの黒人音楽に親しむようになった。
大学時代にバンドを結成、音楽活動を始め、’72年にカントリーロック・バンド、クローバーに加入。’76年、クローバーはパブ・ロック界の大御所であるニック・ロウの誘いを受けて渡英し、エルヴィス・コステロのファースト・アルバムのバックを務めた。
この時期、ヒューイをはじめとするクローバーの面々はアイルランド・ダブリン出身でイギリスでも高い人気があったシン・リジィの前座に起用され、その縁でリジィのアルバム『ライヴ・アンド・デンジャラス』にヒューイがブルース・ハープ奏者として参加している。
クローバー解散後、ヒューイはサンフランシスコに戻ってアメリカン・エキスプレスというバンドを結成するが、失敗。’79年、ヒューイは失業中のミュージシャン達を集め、サンフランシスコにかつて存在した、アンクル・チャーリーズという酒場で、後にニュースのメンバーとなる、ジョニー・コーラ、クリス・ヘイズ、マリオ・シポリナ、ビル・ギブソン、ショーン・ホッパーらとバー・バンドとして活動を始めた。そんな中、後にマネージャーとなる、ビル・ブラウンが彼らの才能を見出し、クリサリス・レコード社との契約を結んだ。
’80年、ヒューイ・ルイス & ジ・アメリカン・エキスプレスを結成。すぐヒューイ・ルイス & ザ・ニュースと名を変えてデビューする運びとなった。1stアルバム『ヒューイ・ルイス & ザ・ニュース』は、商業的には失敗に終わるが、’82年リリースの2ndアルバム『ベイエリアの風』からのシングル・カット「ビリーヴ・イン・ラヴ」がヒットし、ようやくヒューイは陽の目を見る。そして’83年、アルバム『スポーツ』を発表。「アイ・ウォント・ア・ニュー・ドラッグ」、「ハート・オブ・ロックンロール」、「いつも夢見て(If This Is It)」などのヒット曲を連発し、800万枚以上を売り上げてバンドは一躍スターとなった。
’85年には、大ヒット映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主題歌「パワー・オブ・ラヴ」が全米1位の大ヒット。同年、USAフォー・アフリカの「ウィー・アー・ザ・ワールド」に参加。’86年のアルバム『FORE!』からは「ジェイコブズ・ラダー」と「スタック・ウィズ・ユー」の2曲が全米シングル・チャートのNO.1になり、まさに人気は絶頂を極めた。’88年の『スモール・ワールド』以降は、バンドの方向性を巡ってレコード会社と衝突することも多く、移籍を繰り返し、メジャー・レーベル以外からアルバムをリリースすることもあり、またメンバーの脱退と新加入があったが、ストレートなアメリカン・ロック魂は失われることなく現在も絶好調である。


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2013年9月4日水曜日

来日アーティスト Pick up Andy Fairweather Low(アンディ・フェアウェザー・ロウ)


〔SOUND FINDER 営業日記!〕 推薦公演 vol.003 レコードを聴いてライブに行こう!

エイメン・コーナーのヴォーカリスト、近年はエリック・クラプトンのツアー・メンバーとしてお馴染みのアンディ・フェアウェザー・ロウが来日 初公演を敢行!


とても人が良さそうな英国紳士、という感じでサポート・ワークが多い、アンディ・フェアウェザー・ロウですが、まるで侮れないキャリアの持ち主。ギターを弾きまくるエリック・クラプトンを支える理解者、という立ち位置で来日回数も比較的多い彼ですが、自身のバンドでの来日公演は初だそうです。

’66年にエイメン・コーナーのヴォーカリストとしてデビュー。’67年にベッシー・スミスのカバー「Gin House Blues」が全英12位を記録、’69年には「(If Paradise Is) Half as Nice」が全英1位を獲得し、波に乗るも’70年にバンドが2つに分裂してしまい、その後はフェア・ウェザーと改名し新バンドを結成。同年シングル「Natural Sinner」で全英6位を記録するが、バンドはアルバムを1枚残して解散。解散後は引退を表明するものの、’74年にソロ・アーティストとしてカム・バック。ソロ活動と並行して、ロイ・ウッドデイヴ・エドマンズリチャード・トンプソン等多くのミュージシャンのレコーディング・セッションに参加。’83年には、ARMS コンサートに参加し、エリック・クラプトンと初共演。
’91年からは、エリック・クラプトンのサポート・ギタリストとして抜擢され、ワールド・ツアーやレコーディングに参加。’91年のジョージ・ハリスンエリック・クラプトンの来日公演にも同行し、独特のフィンガー・ピッキングを披露した。
’99年から’02年にかけて、元ピンク・フロイドロジャー・ウォーターズのワールド・ツアーに、ギタリスト及びベーシストとして参加。
現在もギタリスト、シンガー・ソング・ライターとして精力的な活動を続けている。


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2013年9月1日日曜日

来日アーティスト Pick up Richie Furay(リッチー・フューレイ)


〔SOUND FINDER 営業日記!〕 推薦公演 vol.002 レコードを聴いてライブに行こう!

すごいぞ 初来日! ウェストコースト・ロック界の歴史的重要人物が日本初上陸!


’65年頃、スティーヴン・スティルスらとともに、ニューヨークのナイトクラブ Cafe Au Go Go の専属バンド Au Go Go Singers のメンバーとして活動し、その後ニール・ヤングらとバッファロー・スプリングフィールドを結成。’60年代後半には、ジム・メッシーナランディ・マイズナーらとカントリーロックバンド、ポコを結成。フューレイが書いた「Pickin' Up The Pieces」、「Good Feelin' To Know」はその後、カントリー・ロックにおけるスタンダード・ナンバーとなった。
’74年、ポコを脱退した後、J.D.サウザークリス・ヒルマンとともにサウザー・ヒルマン・フューレイ・バンドを結成。1stアルバムはゴールド・ ディスクを獲得し、シングル「Fallin' in Love」はトップ30まで上昇するヒットとなったが、結局アルバム2枚を発表したのみで解散。この頃、バンド仲間だったアル・パーキンスの勧めで熱心なクリスチャンとなる。
’76年、リッチー・フューレイ・バンドを結成し、アルバム『I've Got a Reason』をリリース。このアルバムはクリスチャンとしてのフューレイの思想を色濃く反映したもので、このアルバムによりフューレイはクリスチャン・ロックのパイオニアとして知られることとなる。’80年以降は牧師として活動しながら、ソロ・アーティストとして、また時折ポコを再結成するなどして音楽活動を続けている。


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2013年8月30日金曜日

来日アーティスト Pick up Allen Toussaint(アラン・トゥーサン)

〔SOUND FINDER 営業日記!〕 推薦公演 vol.001 レコードを聴いてライブに行こう!

ニューオリンズ音楽の牽引者、米国国宝級のリヴィング・レジェンド、
アラン・トゥーサンが来日! 


今回は、ソロでの出演のようです。ここ数年の間にビルボードライヴ出演の常連という感じですが、生で観る機会があるということは、とても嬉しいことです。

’52年フラミンゴスを結成(このバンドにはスヌークス・イーグリンがギタリストとして在籍)。'55年、デイヴ・ バーソロミューの目に留まり、ファッツ・ドミノスマイリー・ルイスらのセッションに参加。このあたりから、セッション・ピアニストとして名を上げ、’58年のリー・アレンのヒット「Walkin' With Mr. Lee」のアレンジを担当してからは、アレンジャーとしても高評価を得る。同年、初のソロ作『The Wild Sound of New Orleans』も発表。
’60年、ミニット・レーベルにディレクターとして迎え入れられ、ジェシー・ヒルの「Ooh Poo Pah Doo」やアーマ・トーマスの「It's Raining」など、彼のプロデュース、作曲によるヒット曲が数多く世に送り出されるようになった。’60年代トゥーサンは、インスタント、フューリーなどのレーベルでも同様の活躍をし、ニューオーリンズの音楽シーンに大きな足跡を残し、’65年にはマーシャル・シホーンとサンス・レーベルを興している。
’70年代になると、’70年の『From a Whisper to a Scream』を始めとして、自己名義のアルバムを複数リリース。’75年『Southern Nights』は、彼の代表作であり、他に、’73年のドクター・ジョン『In The Right Place』や’74年の『Desitively Bonnaroo』、’78年にはアルバート・キングの『New Orleans Heat』をプロデュース、ウイングスの『Venus And Mars』にピアノで参加するなど、幅広く活躍した。
’96年には、ニューヨークとニューオーリンズの頭文字を取って名付けたナイノ(Nyno)レーベルを設立。同レーベルから、’96年に自身のアルバム『Connected』をはじめ、オリバー・モーガンやレイモンド・マイルズなど、 ニューオーリンズのアーティストたちがアルバムをリリースした。そして’98年、ロックの殿堂の非演奏者部門入りを果たした。
’05年、ハリケーン・カトリーナで被災。ニューオーリンズ市内の自宅もシーセイント・スタジオも全壊してしまい、しばらくニューヨークに拠点を構えていたが、現在は、ニューオーリンズに戻っていているそう。カトリーナ以降、数々のカトリーナ関連のベネフィット・コンサート、CDなどに参加。’06年、エルヴィス・コステロとの共作『The River In Reverse』をリリース、中島美嘉のシングル「All Hands Together」にも参加するなど、多岐にわたり存在感を示している。


余談ですが、たまたま仕事の用事でFジテレビ内をウロウロしていたところ、スタジオの扉が開き、突如アラン・トゥーサンがぬぅっと現れまして、思わず「うわぁぁぁぁぁ!」と声を上げてしまったことがあります。おそらくは中島美嘉と共演でテレビ収録のために来ていたのだと思いますが、その日いみじくも『Southern Nights』を聴きながら、ゆりかもめに乗ってお台場に向かったこともあり、ものすごくビックリするとともに、幸せな気分でした。


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2013年8月22日木曜日

訃報 藤圭子 享年62歳

歌手 藤圭子さんが亡くなりました。
怨歌(夜の世界に生きる女の感情をリアルに描いた陰鬱な歌)を深々と歌い上げ、'60年代終わりから'70年代初めにかけて一世を風靡しました。



幼少の頃から浪曲歌手の父と三味線瞽女の母に同行し、旅回りの生活を送りました。勉強好きで成績優秀でしたが、貧しい生活を支えるために高校進学を断念したそうです。
17歳の時にさっぽろ雪まつりのステージで歌う姿が音楽業界関係者の目に留まり、上京。'69年「新宿の女」でデビューしました。
ファースト・アルバム『新宿の女』は20週連続1位となり、ファースト・アルバムから4ヶ月後にリリースしたセカンド・アルバム『女のブルース』は17週連続1位を記録するという、空前絶後の記録を残しました。'70年4月にリリースした「圭子の夢は夜ひらく」の大ヒットで、NHK 紅白歌合戦に出演しました。

ところで、「圭子の夢は夜ひらく」は、'66年に園まりが発売した「夢は夜ひらく」のカバーで、もともとの原曲は練馬少年鑑別所で歌われていた曲を曾根幸明が採譜・補作したものだそうで、数多くの歌詞の異なるヴァージョンが存在します。


ご冥福をお祈り致します。

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2013年8月21日水曜日

訃報 Cedar Walton〔シダー・ウォルトン〕 享年79歳

モダン・ジャズ界の巨匠ピアニスト、シダー・ウォルトンが亡くなりました。


大学卒業後、'50年代中頃にニューヨークへ出た彼はケニー・ドーハムのバンドに加わり、音楽活動を始めました。以後、ジジ・グライスジョン・コルトレーンの『ジャイアント・ステップス』の録音に参加しました。
'60年代の初め、ピアニスト、アレンジャーとしてアート・ブレイキージャズ・メッセンジャーズに3年間籍を置き、ウェイン・ショーターフレディ・ハバードカーティス・フラーらと活動。ジャズ・メッセンジャーズ時代には「ugetsu」など、日本にちなんだ曲もつくりました。'64年、ジャズ・メッセンジャーズを脱退後は、様々なミュージシャンと演奏を行っており、サム・ジョーンズビリー・ヒギンスらと日本にも来日しています。渡辺貞夫笠井紀美子山本剛鈴木勲など、日本のジャズ・ミュージシャンとの共演も多数ありました。

ご冥福をお祈り致します。

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2013年8月17日土曜日

訃報 Eydie Gorme〔イーディ・ゴーメ〕 享年84歳

永遠の名盤『恋はボサノバ(Blame It On Bossa Nova)』で知られる米ポップス歌手、イーディ・ゴーメが亡くなりました。



ニューヨークで、ユダヤ系の両親の間に生まれ、高校卒業後、トミー・タッカー楽団で、デビューを果たしました。'57年に、歌手のスティーブ・ローレンスと結婚。'63年に、邦題「恋はボサノバ」(Blame It on the Bossa Nova)が大ヒットとなり、全米レコード協会よりゴールドディスクと認定されました。ボサノヴァの有名曲  「Recado」に英詞をつけた「ザ・ギフト」もジャズのスタンダード・ナンバーとして定着しています。
'95年、ソングライターズ・ホール・オブ・フェイム(Songwriters Hall of Fame) に、夫のスティーブ・ローレンスと共に、殿堂入りを果たし、夫とのツアーは2000年代まで続いていました。

夫のローレンス氏は<イーディーとは55年以上の間、ステージでも私生活でもいつも一緒だった。彼女には一目惚れだったが、彼女の歌声を聞いてより一層好きになった>と述べ、<世界は偉大なポップ歌手を失った>と付け加えました。

まさに、その言葉通り、またひとり偉大なるシンガーがこの世を去ってしまったことが残念でなりません。

ご冥福をお祈り致します。

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2013年8月15日木曜日

訃報 山口冨士夫 享年64歳

伝説のバンド 村八分 のギタリストで、“日本のロック”をつくった重要人物である、
山口冨士夫さんが亡くなりました。


'67年、ザ・ダイナマイツのギタリストとしてデビュー。デビュー曲「トンネル天国」がヒットしますが、バンドは'69年大晦日のステージで解散。'70年代初頭に盟友であるチャー坊〔柴田和志〕と共に、伝説のバンド村八分を結成し、 当時まだ混沌としていた日本のロック界に風穴をあけました。'73年、村八分解散後は、ソロ・アルバム『ひまつぶし』を発表し、その後はリゾート、裸のラリーズ、タンブリングス、ティアドロップスなどで精力的なライブ活動を展開しました。

近年、体調を崩し、闘病生活を送っていましたが、'08年よりライブ活動を再開。断続的なライブ活動はリハビリも兼ねていたそうですが、力強く、貫禄あるライブ・パフォーマンスだったそうです。

ご冥福をお祈り致します。

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2013年8月14日水曜日

VOLOMUSIKS インタビュー

先日、霞町音楽会 第6回にオープニング・アクトとして 出演するVOLOMUSIKS(ボロムジクス)にインタビューをさせていただきました。


音楽に対して、とてもピュアに対峙している新人バンドです。
若い世代の方々はもちろんですが、とかく<最近の若い人の音楽はわからんのう・・・>と宣う30代後半〜5、60代の方々にも、彼らの音楽、そしてライブ・パフォーマンスにはシンパシーを感じることが出来る、とても魅力的なバンドです!

ぜひ、御一読ください! そして10月14日(月・祝)には、霞町音楽会 第6回で彼らの魅力に触れてください!






インタビュー記事はこちらです。






★チケットの購入方法など、霞町音楽会 第6回 についての詳細は、こちらです。


2013年8月7日水曜日

訃報 George Duke〔ジョージ・デューク〕 享年67歳

ジャズ・ピアニストのパイオニア的存在で、コンポーザー、プロデューサー、歌手としても知られているジョージ・デュークが亡くなりました。


米カリフォルニア州サン・ラファエル生まれ。ピアノをはじめたきっかけは、母親に連れて行かれたデューク・エリントンのコンサートだったそうで、7歳からピアノの教育を受け始めました。16歳の時、高校の仲間と時代にグループを組み、ジャズを演奏しはじめ、この頃はマイルス・デイヴィスやソウル・ジャズに多大な影響を受けていました。サンフランシスコ音楽院ではトロンボーンと作曲を専攻。在学中にはアル・ジャロウとグループを組んでクラブで演奏していたそうです。'70年代に入るとキャノンボール・アダレイクインシー・ジョーンズフランク・ザッパビリー・コブハムのグループに参加して、徐々に知名度を上げていきました。
'77年にEpic / CBSでアルバム『From Me To You』をリリース。持ち前のファンキーなプレイで、当時ブームだったディスコ・サウンドへ傾倒していき、この時期に古くからの盟友、スタンリー・クラークと、Clarke / Duke Projectで3枚のアルバムを発表しています。
'85年にワーナー・ミュージックのエレクトラ・レコードに移籍。アルバム『Thief In The Night』、他2枚のアルバムを発表しつつも、並行してプロデュース業にも才能を発揮します。'92年にワーナー・ブラザーズ・レコードに移り、アルバム『Snapshot』を発表。
'02年になるとマイナー・レーベルのピザーレ・プラネットに移籍し、3作発表した後、'08年にはヘッズ・アップに移籍して、アルバム『Dukey Treats』を発表しました。闘病中も音楽への情熱は消えることなく、先月アルバム『DreamWeaver』をリリースしたばかりでした。

彼は、ジャズだけ留まることなく、マイルス・デイヴィスフランク・ザッパグラディス・ナイトアニタ・ベーカーマイケル・ジャクソンなど、ファンク、R&B、ポップ、ディスコなど多岐にわたるジャンルのアーティストと共演して、数々の名演を生み出しました。もちろん若い世代のアーティストにも大きな影響を与えており、彼の音楽は新世代アーティストを通じて後世に語り継がれ、残りつづけていくことでしょう。

ご冥福をお祈り致します。

★ジョージ・デュークのレコードはこちら
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2013年8月2日金曜日

8月に入った真夏の夜、中村まりさんのライブがとても素晴らしかったのです!

渋谷の繁華街は常にガヤガヤギラギラしていて、“疲れる”街である。なので〈誰と行くか?〉や〈渋谷のどこにいくか?〉とか〈何をしに行くか?〉がちゃんとハッキリしていないと、ほんとにほんとに疲れてしまうのだ。

しかし昨日(8/1)は、そこのところがハッキリしていて、CLUB QUATTRO(ちなみに25周年だそうです。)に中村まりさんのライブを観に行ったのだ。〈期待感を抱えて渋谷の繁華街に足を踏み入れる〉というのは、久しぶりである。



昨日は常設ステージの前に、小さめのステージが組まれていて、それを半円形にお客さんが囲むような席配置になっており、親近感ある空間となっているのがうれしい。ギター好きとしてはなおさらである。

中村まりさんの、芯が太いが人の心を優しく包むような声質が心地良く、そっと背後から支えるかのように色を添える安宅浩司さんのギターが素晴らしかった。歌への絡み様が絶妙なのである。曲の始まりは抑えめに、曲の中盤に向かって音数が増えていくが出過ぎず、あくまでも歌を引き立てるフレーズがとても素敵なのだ。「A Brand New Day」からはじまり、数々のオリジナル曲(もちろんすべて英語で歌われる)の中に「Diddy Wah Diddy」などの古典曲をちりばめたステージは、中村まり=Martin 000-18と安宅浩司=Gibson J-45 の微妙な音色の違いを楽しむことも出来、テクニックはもちろんのこと、ふたりの奏でる豊かな調和が心地良かった。
ちなみに安宅氏はもう1本ギターをスタンバイしていて、曲により、膝に寝かせてスライドバーを巧みに操り、我々を米国深南部方面へと誘ってくれたのだ。

「なんだか今日は気持ちよく眠れそうだなぁ」というのが偽らざる心境だったのだが、それは彼女の無垢な声質だったり、人間の指が奏でるアコースティック・ギターの木の音色だったり、とにかくヒューマンな音楽に触れたからである。そんなやわらかい気分でライブを観終えたので、終演後、駅に向かうまでの繁華街が、なんだかいつもよりわざとらしい美術セットみたいに見えてしまってオカシカッタ。


さて、このふたりのライブはまだまだ続くのである。中村まりオフィシャルサイトには、こんなフライヤーが掲載されていたので、ぜひお近くの方は、ぜーったいに観ることをお勧めします!





(以前掲載した、中村まりさんのインタビューはこちらです。まだ未読の方はぜひ!御一読ください。)

2013年8月1日木曜日

レコード通販のエキスパート サウンドファインダーが参加ショップのみに提供していた 配送サービスを広く解禁! 通販業者の通信費軽減を支援します。

日本最大のレコードショッピングモール音楽専門オンラインショッピングモール サウンドファインダー(http://www.soundfinder.jp)を運営する株式会社マッチファインダー(本社:東京都北区 代表:新川宰久)はサウンドファインダーに出店しているショップのみ提供していた全国一律料金配送サービス(※1)を、その他の通販事業者にも8月1日より提供を開始します。

 通販の通信費を軽減させることは、各事業者にとって速やかに解決しなければならない課題です。件数が多ければ、配送業者によるボリューム・ディスカウントも摘要されますが、物量がそれほど多くない場合、配送料の軽減は難しく、結果として通販そのものが困難になる傾向があります。サウンドファインダーでは、とかくかさみがちな配送経費を日頃から抑えていくことで通信販売業界の活性化を図ります。

(※1)全国一律500円(北海道、九州、沖縄からは600円)で配送できるサービス。2007年よりサービス開始。



【本件についてのお問い合わせ】

株式会社マッチファインダー/SOUND FINDER
担当:寺井篤史
携帯電話:090-8583-6308 メールアドレス:terai@matchfinder.jp





株式会社マッチファインダー(http://www.matchfinder.jp)について

2005年11月に日本初のレコード専門ショッピングモールサウンドファインダー(http://www.soundfinder.jp)をスタート。全 国の有名レコードショップが参加し、現在では在庫数は60万点を超える。2012年より音楽イベント「霞町音楽会」、近畿日本ツーリスト社とのコラボレー ション旅行企画「レコー道」、レーベル事業FIRST CALL RECORDINGSなどを手掛ける。また北区地域活性化事業では音楽ステージのプロデュースなども行っています。

2013年7月29日月曜日

訃報 JJ Cale〔J・J・ケイル〕 享年74歳

エリック・クラプトンほか、多くのアーティストが憧れ、尊敬している、シンガーソングライター、そしてタルサ・サウンドの創始者として知られるJJ Caleが亡くなりました。



オクラホマ州に生まれ、タルサで育ったケイルは、チェット・アトキンスレス・ポールチャック・ベリーなどの影響を受け、'50年代から地元タルサのクラブで音楽活動を始め、同じ地元のミュージシャンであるレオン・ラッセルなどと一緒にプレイしていました。そして60年代半ばにロサンゼルスに移り、スタジオ・エンジニアとして働きつつアーティスト活動を続けますが、'70年にエリック・クラプトンが「アフター・ミッドナイト」を採り上げるまでは、タルサに戻り、音楽業界から身を引くことを考えていたほど、当時ケイルを取り巻く状況は(少なくともアーティストとしては)不遇だったそうです。

その後も、エリック・クラプトンが「コケイン」をカバーしたことはあまりに有名ですが、他にランディ・クロフォードが「ケイジャン・ムーン」、レイナード・スキナードが「コール・ミー・ザ・ブリーズ」や「アイ・ゴット・ザ・セイム・オールド・ブルース」をカバーするなど、多くの有名アーティストがケイルに敬意を評し、曲を採り上げています。

近年では、'04年エリック・クラプトン主催のクロスロード・ギター・フェスティバルに出演、そして'06年エリック・クラプトンと共同名義で『ザ・ロード・トゥ・エスコンディード』を発表するなど、音楽活動がそれまでに増して活発化するなか、'09年アルバム『ロールオン』を発売しました。

ご冥福をお祈り致します。

余談ですが、'06年、前述したエリック・クラプトンとのコラボレーション・アルバム発売時、田舎育ち(もちろん良い意味で)で素朴さまるだしのケイル氏が、Fジテレビの朝の人気情報番組にクラプトン氏とインタビュー出演しているのを観た時にはビックリしました。ある意味メディア慣れしているクラプトン氏とかなり対照的なケイル氏が、朝のFジテレビでぶっきらぼうな口調で話しているわけですから。いや、別にネガティブな印象を受けたわけではなく、これをオンエアしたFジテレビさん(のディレクターさん?もしくはプロデューサーさん?含め)には、すごい!、と膝を打ちましたし、こういった形ででもJJ Cale氏が日本のお茶の間に姿を現すことは良いことだ!と思いました。


★JJ Caleのレコードはこちら
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2013年7月23日火曜日

ペトロールズ 出演!

霞町音楽会 第6回、まだ未発表だった出演アーティストが、発表になりました!

ペトロールズ

ですよ! ペトロールズ!!!


ライブは常にソールドアウト。会場のみで限定リリースされた音源はプレミアがつく、大物トリオ!
各プレイガイドにて、先行予約受付中です。チケットはお早めに!
 ■チケットぴあ先行予約ページはこちら
 ■イープラス先行予約ページはこちら
 ■ローソンチケット先行予約ページはこちら



日時:2013年10月14日(月・祝)16時30分開場 17時30分開演
場所:新宿 BLAZE
〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1-21-7 ヒューマックスパビリオン 新宿アネックス B2F
料金:前売4000円、当日4500円 (ドリンク代別)
チケット一般発売 : 8月3日(土)
 ■チケットぴあ 0570-02-9999 <204-246>
 ■ローソンチケット 0570-084-003 <73387>
 ■イープラス
 ■SOGO TOKYOオンラインチケット http://sogo.pia.jp

お問い合わせ SOGO TOKYO 03-3405-9999




2013年7月8日月曜日

【霞町音楽会 第6回】 ジャンルレスなダンスミュージックの祭典なのだ!

ついに、霞町音楽会初のホールでのイベントでして、会場は新宿BLAZEでございます。

出演は、
OBATALA SEGUNDO〔オバタラ・セグンド〕
'95年グラミー賞にノミネートされたオルケスタデラルスや熱帯JAZZ楽団で活躍するトロンボーン奏者中路英明を中心に、'97年に結成されたラテンジャズバンド。ずば抜けた演奏力のミュージシャンが織りなす音のグラデーションとアンニュイなラテンのメロディはラテンジャズを知らなくても、また彼らの存在を知らなくても、ライブを体感すれば、思わず体が揺れてしまう魔力があります。
★中路英明インタビューはこちら


JariBu Afrobeat Arkestra〔ジャリブ・アフロビート・アーケストラ〕
辺境系ファンクが注目される中で、フェラクティなどのビッグアーティスト以外の音楽にも注目が集まっており、現在ヨーロッパでは定着した人気があり、特にフランスでは根強い人気があります。日本にもアフロビートのバンドがいるということをみなさんに知ってほしくて出演をオファー。
'09年にミニ・アルバム「AfroSound System」を発売後、Fuji rock festetival 2009に出演。野外イヴェントを中心に活動をしています。
海外のDJがこぞって、彼らの曲をピックアップしていることからも海外での人気ぶりがうかがい知ることができます。
★ベーシスト 久保祐一郎インタビューはこちら


オープニングアクト VOLOMUSIKS〔ヴォロムジクス〕
SOUND FINDER代表が休日に吉祥寺を散策していた際、ストリート・ライブをやっていた彼らに遭遇。ポップなメロディー、アレンジに個性的な詞を乗せ、どこかエキセントリックな魅力をのぞかせる3人組に思わず出演をオファーした逸話があります。

で、実はもう1組出演いたしますが、現段階ではシークレット。
7月22日以降に発表でございます。


【霞町音楽会 第6回】
日時:2013年10月14日(月・祝)16時30分開場 17時30分開演
場所:新宿BLAZE
〒160-0021東京都新宿区歌舞伎町1-21-7 ヒューマックスパビリオン 新宿アネックス B2F
料金:前売4000円、当日4500円 (ドリンク代別)
チケット一般発売 : 8月3日(土)
 ■チケットぴあ 0570-02-9999 <204-246>
 ■ローソンチケット 0570-084-003 <73387>
 ■イープラス
 ■SOGO TOKYOオンラインチケット http://sogo.pia.jp

お問い合わせ SOGO TOKYO 03-3405-9999


先行予約受付を各プレイガイドでは行っています。
確実にチケットを入手したいお客様は前もってご予約くださいますよう、よろしくお願いします。
尚先行予約期間などは各プレイガイドにてご確認ください。
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2013年7月6日土曜日

FIRST CALL RECORDINGS 第4弾リリース!

我がSOUND FINDERのレコード・レーベル、FIRST CALL RECORDINGSから、第4弾リリースとなる7インチレコードは、ブラジル人歌手、Patricia Marx(パトリシア・マルクス)とSeu Jorge(セウ・ジョルジ)とのデュエット!

Espelhos d’Água (feat. Seu Jorge) ・ Sonho de Amor (Live)
2013年6月4日発売/7インチレコード/FCR 7 004/1,470円(税込)

日本のみ限定アナログシングル盤でのリリースです。
裏面にはSonho de Amorのライブバージョンを収録。
ブラジル本国での大人気ぶり、ライブでの安定感を証明するシングル盤でございます。



さて、パトリシア・マルクスは、ブラジリアン・ネオ・ソウル界のディーバと称賛高く、幼い頃からコンテスト破りを重ね神童と呼ばれておりました。'87 年にソロ・デビュー。一貫してブラジル音楽界の第一線で活躍する人気、実力とも本物のシンガーでして、現代ブラジル音楽シーンを代表するアーティストです。
一方、セウ・ジョルジは。'96年にサンバとファンクを融合させたバンド ファロファ・カリオカ を結成、フロントマンとして活躍するも、'99年脱退。'01年『サンバ・エスポルチ・フィーノ』でソロ・デビュー。そして'02年、映画『シティ・オブ・ゴッド』出演し、アカデミー賞主要4部門ノミネートなど高い評価を得、自身も俳優として世界的に大ブレイクしました。'05年公開の映画『ライフ・アクアティック』では出演と共に映画全編にセウの弾き語りによるD.ボウイの名曲が散りばめられ、大きく話題を呼びました。サンバをベースにして、ロック、ファンク、レゲエを融合したセウ・ジョルジの音楽はブラジルではブラジリアン・ポップ/サンバの革新者とも評されており、今のブラジル音楽シーンを知る上で欠かせない重要アーティストです。

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2013年6月30日日曜日

中村まり インタビュー〔再掲載〕

第5回
「----- ところで、今後の音楽活動の構想の中に
<日本語で歌う>というのはありますか?」



----- ところで、今後の音楽活動の構想の中に<日本語で歌う>というのはありますか?

今のところはないですね。何度か、考える時期はありましたけれども、無理してやらなくてもいいんじゃないか、というかやりたいことが英語で歌うことなので、それを無理して日本語に置き換えるのなら、その労力はやはり音楽的なことに使っていきたいですね。もちろん日本語を英語っぽく歌うという考え方もあるんでしょうけど、英語自体が音楽的なものだと思っていますし、私は英語の単語そのものにリズムがあり、そのリズム自体が音楽だと思っていて、それはどうしても英語じゃない日本語だと出せないものなんです。だから無理してまで日本語で歌うという発想が自分にはないですね。
エレキギターを弾いている人がいるとするじゃないですか、日本人で。その人に、何で三味線弾かないんですか?っていう質問をすることと同じですね。出る音違うじゃないですか、けど三味線でもがんばれば(ギターのスケールを)弾くことはできますよね。けど、そのがんばればっていうことに無意味さを感じるんですね。三味線と西洋のギターが違うくらい、英語(で歌うこと)と日本語(で歌うこと)っていうのは音楽的に違うものだと思っています。

----- では見方を変えて、海外で音楽活動をするという発想はありますか?

もちろん、短いツアーなど良い機会があればアメリカに行ってみたいですけどね。旅はしてみたいです。最近、私の2ndアルバムがアメリカとカナダのi-tunesでも購入できるようになりました。
一方で、実際問題、自分の生活を考えると海外に拠点を移して活動するというのはとても難しいと思いますね。海外に行って何をやりたいかっていうビジョンも今のところないですし、やっぱり海外では通用しないんじゃないかな、っていう想いが自分の中にあるから欲望が出てこないんでしょうね。
今こうやって日本で、私のやっている音楽で、ルーツ音楽が好きな人とかも含めて興味を持ってくださって、ちょっとずつ広がっている感じがすごくありがたいですし、現実味を感じます。そうやってこれまで関係を築いてきた、お客様の前で演ることが、今の自分がやるべきことかなと思っています。

----- さて、2月2日には【霞町音楽会 第4回】にご出演いただきます。中村さんには、昨年記念すべき第1回にご出演いただきました。

もうお客さんがいっぱいでしたね。普段、対バン形式のイベントに出ることがあまりなくて、珍しい体験でした。また、主催の新川さんの熱意で、違った畑からアーティストを集めての開催って、そういう視点でイベントを開催するというのは、ライブハウスの人もそれほど考えないような、珍しいことなんじゃないでしょうかね。

----- 第4回目はEARTH+という東京の木場にあるギャラリーで開催です。

すごく楽しみにしてます。ギャラリーでの音楽会がどんな感じになるのか今は想像がつきませんが、共演者の方々は普段ご一緒する機会がほとんどない方々なので、楽しみですよ! <完>

※このインタビューは今年の1月に霞町音楽会のオフィシャルホームページに掲載した記事の再掲載です。

中村まりオフィシャルサイト http://www.marinakamura.net/


★近日のライブ予定
 ■7月20日(土) 下北沢lete〔ソロ・ワンマン〕
  open 19:00 / start 20:00 予約2,300円+drink / 当日2,600円+drink
  ※メール予約:lete
 
 ■8月1日(木) 渋谷クアトロ “3213 SESSION”
  出演:中村まり with 安宅浩司(g)
  ※2マン公演です。出演者の詳細は後日お知らせ致します。
  open 19:00 / start 19:30 前売3,500円 / 当日4,000円(ドリンク別500円)
  ※チケット発売 7月13日(土)〜

 ■“塚本功 & 中村まり 2DAYS” 
  8月10日(土) 浜松 ESQUERITA68
   出演:中村まり、塚本功
   open 18:00 / start 19:00 前売2,500円 / 当日3,000円(共にドリンク別)
   ※限定40名
   お問い合わせ:ESQUERITA68 esquerita68@gmail.com 053-485-9968

  8月11日(日) 名古屋金山ブラジルコーヒー
   出演:中村まり、塚本功、(ゲスト小川真一)
   open 19:30 / start 20:00 前売2,500円 / 当日3,000円(共にドリンク別)

2013年6月28日金曜日

中村まり インタビュー〔再掲載〕

第4回
でもキミ、インディゴ・ガールズは、こういうギターを弾いていると思うよ。
教えてくれた楽器屋のおじさんに私の作品を聴いてほしい



----- ところで、今お使いになっているギター(インタビュー冒頭の写真で手にしているマーティン000-18)のおはなしを伺いたいのですが、もう長く使ってらっしゃるのですか? 

たぶん・・・、2006年か2007年頃手に入れたと思うので、ここ5〜6年くらいですね。

----- 使用ギターの変遷といいますか、000-18にいきつくまでに何本かあったと思うのですが。

そうですね、この1本前がマーティンの中でも比較的安く買える、学生時代に買ったD-1というモデルで、しかもバンドの中で演奏することに対応しなきゃいけないと思っていたので、エレクトリック化されているもので、さらに何故かカッタウェイがついているモデルだったんですけど、それをしばらく使ってました。最初の自主制作盤と1stアルバムまではそのギターで録りましたね。さらにその前はヤマハのエレ・アコだったりアコースティック・ギターを使ったりしていましたね。

----- 最初に買ったアコースティック・ギターはどんなものでした?

一番最初のギターもヤマハのもので、アメリカの中古楽器屋さんで3万円〜4万円くらいで買ったんですけど、そう!その楽器屋のおじさんがすごく良い人だったんです!今にして思えば、そのおじさんのひとことがなかったら、多分私はアコースティック・ギターを買ってないんですよ。

----- っということは現在の中村まりさんを産んだ恩人かもしれない。それはすごい話じゃないですか!

とにかくその頃、私はインディゴ・ガールズ(※注)が好きで、インディゴ・ガールズみたいな音楽を演りたいって思ってたんですよ。でも一番最初のギターはクラシック・ギターだったので、クラシック・ギターの音じゃないな、ということは薄々感じていたので、とにかくインディゴガールズみたいなスチール弦のアコースティック・ギターを買おうと思って、その中古楽器屋さんに行ったんですよ。

----- ちなみにどこの楽器屋さんです?

たぶんふつうの、当時住んでいた街のモールに入っていた、何の変哲もない楽器屋だったと思います。で、多分ちょうどいい値段、日本円で3万くらいの一番安いギターを弾かせてもらったんですね。するとナイロン弦の、それまで持っていたクラシック・ギターと比べて弦と弦の間隔が狭いわけですよね、それにまず衝撃を受けて・・・。これじゃあ指が入らないじゃないかと(笑)。こんな指が入らないギターは弾けないじゃないかって焦ったんですよ。それで、これは無理かもな、と。

----- あ、インディゴ・ガールズ無理かもなぁ、と。

そう(笑)。そしたらそんな私の様子を見ていたお店のおじさんが、「でもキミ、インディゴ・ガールズは、こういうギターを弾いていると思うよ。」って言ってくれて。
それで、やっぱりそうなんだ!これに慣れなきゃ仕方ないんだと思い直して、買ったんですよね。だからそのおじさんの一言がなかったら、アコースティック・ギターは買ってなかったですよね。
今にして思えば、まだ何もわかってない子に対して、それ以上のことは言わないで、ただ一言教えてくれたのが良かったなぁって思って。

----- そのおじさんに、中村さんの今の作品、聴かせてあげたいですね。

そうですね、聴いて欲しいですね。ほんっと、そのおじさんってキッカケだなぁ。あと、アメリカでは私、ギター・アンサンブルというクラブに入っていたんですけど、その先生も重要なキッカケとなる人ですね。その先生にインディゴ・ガールズや当時アンプラグドをリリースしたばかりのエリック・クラプトンなど、いろいろ教えてもらいました。そういう、ルーツ・ミュージックに通じうる人たちを教えてくださいましたね。


※注:Indigo Girls / インディゴ・ガールズ
ジョージア州出身のエミリー・レイとエミリー・セイリアーズによるデュオ。1985年に自主制作アルバムを発表し、活動が評判になり1988年Epic Recordsと契約。1989年アルバム『Indigo Girls』でデビューし、これが全米22位、50万枚を超える売り上げを記録。グラミー賞のフォーク部門を受賞するなど、好評を博した。

※このインタビューは今年の1月に霞町音楽会のオフィシャルホームページに掲載した記事の再掲載です。

中村まりオフィシャルサイト http://www.marinakamura.net/


★近日のライブ予定
 ■7月20日(土) 下北沢lete〔ソロ・ワンマン〕
  open 19:00 / start 20:00 予約2,300円+drink / 当日2,600円+drink
  ※メール予約:lete
 
 ■8月1日(木) 渋谷クアトロ “3213 SESSION”
  出演:中村まり with 安宅浩司(g)
  ※2マン公演です。出演者の詳細は後日お知らせ致します。
  open 19:00 / start 19:30 前売3,500円 / 当日4,000円(ドリンク別500円)
  ※チケット発売 7月13日(土)〜

 ■“塚本功 & 中村まり 2DAYS” 
  8月10日(土) 浜松 ESQUERITA68
   出演:中村まり、塚本功
   open 18:00 / start 19:00 前売2,500円 / 当日3,000円(共にドリンク別)
   ※限定40名
   お問い合わせ:ESQUERITA68 esquerita68@gmail.com 053-485-9968

  8月11日(日) 名古屋金山ブラジルコーヒー
   出演:中村まり、塚本功、(ゲスト小川真一)
   open 19:30 / start 20:00 前売2,500円 / 当日3,000円(共にドリンク別)

2013年6月26日水曜日

中村まり インタビュー〔再掲載〕

第3回
 「----- ちなみに・・・、今何を聴いてます?」



----- ちなみに・・・、今何を聴いてます?

つい最近、クリスマス関係の曲を演るっていうライブをやり終えたばかりなので、クリスマス関連の音源をたくさん聴いてましたね。ピート・シーガー、マイク・シーガーのお母さん、ルース・クロフォード=シーガーが採集した、アメリカで伝わっている地方のクリスマスソングを集めた音源を聴いていました。すごくかわいらしい、いい曲ばっかりで、地元の子供たちと自分の娘たちと歌ったりしているものですね。あとはやはりフォーク系の、オールド・タイムの音源ですね、よく聴くのは。

----- アメリカのトラディショナル・ミュージック、オールド・タイム・ミュージックがお好きだというのは、アメリカに行っていらっしゃったことと深い関係があります?

たぶん、あると思いますね。

----- もしアメリカに行ってなかったら、聴いていないかもしれない?

でも、それがわからないんですよね。最近思うんですけど、小さかった頃自分の周りで目に入ってくるものって、割と19世紀くらいのアメリカを描いたものが多かったような気がするんですよね。例えば、『トムソーヤの冒険』とか『大草原の小さな家』とか、これはカナダのものですけど『赤毛のアン』ですとか、そういったものを良くテレビ放映していたのを観ていました。今より子供の頃の方が、アメリカ文化が日常の中にもうちょっとあったような気がしますね。あとは自分が遊んでいたお人形がシルバニア・ファミリーだったりとか・・・・・シルバニア・ファミリーってアパラチア地方が舞台になってるんですけど・・・・・そのアパラチアが私の好きなオールド・タイム・ミュージックの発祥の地なんですが、シルバニア・ファミリーの舞台がアパラチア!?と大人になってから知ってビックリして(笑)。だからそういうアメリカ調家具のミニチュア集めて人形で遊んでたりとか、母親がパッチワークやっていたりとか、小さいことが積み重なって自分の音楽趣味とむすびついているんじゃないかって気がしています。

----- ご両親やご兄妹がアメリカの古い音楽が好きで、家では常にそういう音楽が流れてた、みたいなのはないんですね。

この音楽に関してはないですね。ただ、姉がピアノの専門で、常に家ではクラシック・ピアノを練習している人がいたっていう状況はあったんですけど、アメリカの古い音楽が家でかかるようなことはありませんでしたね。だから、ブルーグラスっていう楽しい音楽があるってことに気づくまでに何年もかかったのがすっごく悔しい(笑)。

----- カントリー・ブルースを始めて、だけど影響を受けたのはブルースだけではなかったんですね。

そうですね。ブルースっていうよりも、アメリカの古い音楽、そしてアコースティックであるということがすごく重要でして、ブルースでもエレクトリック化され、シティ化されていくにつれ、だいぶ興味が薄れてしまうところがありますね。時代も古ければ古いほど興味が湧いてくるというか。やっぱり田舎の音楽っていうのが惹かれるポイントなんですよね。楽しみのために演ってて、きっと自分たちの気持ちを慰めるためにやってたんだろうなっていう。そういう素朴な、あたたかい部分に惹かれますね。

----- 例えば、カバーする曲を選ぶ時もそういった素朴な、あたたかい歌詞の内容のものを意識的に選びますか?

他人の曲を歌うときは、音楽的な楽しみの要素が強いかもしれないですね。自分の曲を歌うときは、もうちょっとなんかこう、なんていうんだろう、慰めに近いというか祈りに近いといいますか、単に何かを発表をしたいっていうんじゃなくて、<時代を超えていつ誰が聴いてくれても、もしかしたら共感してくれるんじゃないか>っていうようなところを大切にしたいと思っています。

-----カバーする曲の選び方ってありますか?

私は、結構楽しいメロディーが好きでして、メロディアスな曲には目がないですね。次に歌詞を調べてみて、自分が歌えそうかな、ということは最近よく考えるようにしていますね。ライブで1回限りで歌うのとは違って、レコーディングする楽曲の場合にはどうしても言葉に対する責任が重めになってきますし、ロンサム・ストリングスと一緒にアルバムつくったときは、わりと歌詞の部分で、自分の中でブレのないものを選びましたね。

----- 例えば、長年演ろうと思っていて、けどまだ実現していないカバー曲なんて、あります?

あー・・・、あります。ありますと言ったら演らなきゃならなくなっちゃいますけど(笑)。あのう・・・ゲイリー・デイヴィス(※注)という、ステファン・グロスマン先生のお師匠さんといわれている人で、その方が弾くギターがすごくて、ああいうギターをいつか弾けるようになりたいなと常に思ってはいます。実は一回カバーしてみようと思ってやりかけていたんですけど、ほっぽっといたままになっていますね、そういえば(笑)。


※注:Gary Davis / レヴァランド・ゲイリー・デイヴィス
生後間もなく医者が目に入れた薬により失明するも幼い頃からギターを弾き、南部を廻って街頭で演奏。15歳の頃から、サウス・カロライナのグリーンヴィルでウィリー・ウォーカーの影響を受け、一緒にストリング・バンドでプレイしてギターの腕に磨きをかけた。1920年代には ノース・カロライナ州のダラムという街の通りで演奏して稼ぐようになる。初録音は1935年の セッションでブルース数曲を演奏し録音するも、その後はもっぱら宗教歌だけを歌うようになった。1937年に聖職者の尊称“レヴァランド”をつけ、レヴァランド・ゲイリー・デイヴィスに改名。1944年にニューヨークに移り、ハーレムの路上で演奏。60年代のブルース・ブームの到来で、再発見という形で取り上げられるようになり、その後1972年死の直前まで演奏活動を続けた。フィンガー・ ピッキングで信じがたいベース・ランをプレイし、あらゆるキーで独自の奏法を築き上げた彼は、まさに真のギターの達人。ブラインド・ボーイ・フラーやブラウニー・マギーといったブルースマンだけでなく、タジ・マハール、ボブ・ディラン、ライ・クーダー、ステファン・グロスマンなどあらゆるジャンルで多くのフォローワーが存在する。

※このインタビューは今年の1月に霞町音楽会のオフィシャルホームページに掲載した記事の再掲載です。

中村まりオフィシャルサイト http://www.marinakamura.net/


★近日のライブ予定
 ■7月20日(土) 下北沢lete〔ソロ・ワンマン〕
  open 19:00 / start 20:00 予約2,300円+drink / 当日2,600円+drink
  ※メール予約:lete
 
 ■8月1日(木) 渋谷クアトロ “3213 SESSION”
  出演:中村まり with 安宅浩司(g)
  ※2マン公演です。出演者の詳細は後日お知らせ致します。
  open 19:00 / start 19:30 前売3,500円 / 当日4,000円(ドリンク別500円)
  ※チケット発売 7月13日(土)〜

 ■“塚本功 & 中村まり 2DAYS” 
  8月10日(土) 浜松 ESQUERITA68
   出演:中村まり、塚本功
   open 18:00 / start 19:00 前売2,500円 / 当日3,000円(共にドリンク別)
   ※限定40名
   お問い合わせ:ESQUERITA68 esquerita68@gmail.com 053-485-9968

  8月11日(日) 名古屋金山ブラジルコーヒー
   出演:中村まり、塚本功、(ゲスト小川真一)
   open 19:30 / start 20:00 前売2,500円 / 当日3,000円(共にドリンク別)

2013年6月24日月曜日

中村まり インタビュー〔再掲載〕

第2回
歌うということに関しては、まず高校生の頃に<歌ってみたいな>という



〔前回からのつづき〕

----- 声が独特で個性的な、とても素敵な声なんですけれども、ご自身がそれにお気づきになったのはいつ頃ですか?

歌うということに関しては、まず高校生の頃に<歌ってみたいな>という衝動がすごくありまして、自宅で家族がいないときに大きな声で歌ったりしてました。その衝動がずーっと続いていて、大学生になってサークルに入った時に、ギターを弾きながら歌うっていうことを始めたんです。人前で歌う機会が増えると、私自身はライブを録った音源を聴いて、どうやったら自分が納得出来る演奏に出来るかなって思うくらいで、自分の声質について特に気づいたことはなかったんですけど、皆がいろんな感想言ってくれて、そして皆の「いいね」って言ってくれるそのたくさんの声に助けられてここまでやってこられたんです。

----- ヴォーカル・スタイルについては、誰かお手本にしたアーティストはいますか?

んー・・・誰かな? 自分が考えている、こういう風に歌いたいっていう課題はその時々にあって、その都度(お手本とするアーティストに)出会ってはいるんですけど・・・。んー、たくさん好きな人はいますが、やっぱり一番はノラ・ジョーンズですね。それまでにジョニ・ミッチェルを聴いて、でもどうやってあの声を出せてるのか解明出来ないまま何年も過ぎたりとか、ボニー・レイットも大好きでよく聴きましたけど、どうやってああいう声が出せているのかわからなかったですね。あとエレン・マッキルウェインというソウルフルな歌い方をする女性シンガーがいるんですけど、ぜんぜんそんな風には歌えなくて、だから自分の歌と好きで聴いているアーティストの歌とのギャップを感じていました。で、同時にトラディショナルなフォーク系のアーティストも聴いていて、ナチュラルに、しゃべっているように歌う、というのを学んだのはドク・ワトソン(※注)からですね。あと、エリザベス・コットン(※注)っていう人がいて・・・、

----- あ、(ギターを)さかさまに弾く人。

そう!なんか衝撃じゃないですか、ベース音をこっち(人差し指の方)で弾いて、こっち(親指の方)で高いとこ弾くからもう解明出来ないですよね。まったく譜面に起こせない世界観(笑)。エリザベス・コットンの歌って、最初聴くとプッと吹き出してしまう感じなんですけど、よーく聴いていると声の正直さというか、声質に嘘偽りがないんですね。ただ自分が出せる声を出しているっていうその素の感じに感銘を受けて、これは私にも出来ることなんじゃないかな、と思いました。ノラ・ジョーンズに関しては、すごくナチュラルに歌いながらも、かなり技巧的なことを簡単にやる方なので、常に目標にしていますね。

----- 歌を歌うことで聴衆に向かって表現する際、自分の声を脚色して表に出すことになりますが、それを出来るだけ“素”に戻して歌うというのは非常に難しいですね。

そうなんですよね。素で歌いつつも、リズムに乗っていなければならない、すべてが音楽的でなければならないので複雑なんですが、素でなければならないという大事なことを教えてくれるのがそのフォーク系の人たちですね。あとすごく大好きな、一番すべてにおいて影響を受けているのがロン・セクスミス。彼のビブラートがかかったすごくソフトな歌声が大好きで、それもまねようとしているんですがなかなか上手くいかないとか、あとポール・マッカートニーの歌もすごい好きで、あのスイングする感じとか、いつも、やりたいなと思っていることなんですけどね。その辺の要素がミックスされて自分の理想ってものが出来ているのだと思います。


※注:Doc Watson / ドク・ワトソン
クラレンス・ホワイト、トニー・ライス、ノーマン・ブレイク、ダン・クレアリーら多くのブルーグラス・ギタリストたちに影響を与えた、フォークシンガーでありブルーグラス・ギターの第一人者。息子のマール・ワトソンと共に活動を続けていたが、1985年にマールが事故で急逝。しかし、その悲劇を乗り越えて、数多くのセッションやライブ活動を精力的に展開した。2012年5月29日、89歳で逝去


※注:Elizabeth Cotten / エリザベス・コットン
ピーター,ポール&マリーやジェリー・ガルシア、ボブ・ディラン、ジョーン・バエズ、タジ・マハールなど多くのアーティストがカバーしている「Freight Train」の作者として知られている、ブルース、フォークのギタリストであり、シンガーソングライター。


※このインタビューは今年の1月に霞町音楽会のオフィシャルホームページに掲載した記事の再掲載です。

中村まりオフィシャルサイト http://www.marinakamura.net/


★近日のライブ予定
 ■7月20日(土) 下北沢lete〔ソロ・ワンマン〕
  open 19:00 / start 20:00 予約2,300円+drink / 当日2,600円+drink
  ※メール予約:lete
 
 ■8月1日(木) 渋谷クアトロ “3213 SESSION”
  出演:中村まり with 安宅浩司(g)
  ※2マン公演です。出演者の詳細は後日お知らせ致します。
  open 19:00 / start 19:30 前売3,500円 / 当日4,000円(ドリンク別500円)
  ※チケット発売 7月13日(土)〜

 ■“塚本功 & 中村まり 2DAYS” 
  8月10日(土) 浜松 ESQUERITA68
   出演:中村まり、塚本功
   open 18:00 / start 19:00 前売2,500円 / 当日3,000円(共にドリンク別)
   ※限定40名
   お問い合わせ:ESQUERITA68 esquerita68@gmail.com 053-485-9968

  8月11日(日) 名古屋金山ブラジルコーヒー
   出演:中村まり、塚本功、(ゲスト小川真一)
   open 19:30 / start 20:00 前売2,500円 / 当日3,000円(共にドリンク別)

2013年6月22日土曜日

中村まり インタビュー〔再掲載〕

 第1回
「自分の表現したかったことがコードをかき鳴らすだけでは出せない」


----- とかく、アコースティック・ギターを持つシンガーソングライターというのは、たいていコードをかき鳴らしてウワーッと自分の思いの丈を歌うといったタイプの人が多いですけれども、中村まりさんの場合はまるでそういうアプローチではなく、音楽を奏でているということが非常に興味深いのですが。

自分の表現したかったことというのが、もうちょっと複雑だったんですね。コードをかき鳴らすだけでは出せない音階であったりとか、ちょっとしたオブリガードで歌の合間に自分で装飾をつけたいと考えたんでしょうね。それと、バンドと一緒に演奏するときでも、ただコードを弾いて、けどバンドにとって何の足しにもならないような、鳴っていても鳴っていなくても同じみたいな、そういう扱いになるのが嫌だったんです。アコースティック・ギターっていうのはどうしても音を大きく出すのが難しい楽器なので、主張する時にかき鳴らしているだけだと、バンドの中では敬遠されるというか、やはり表現出来る範囲が限られていますよね。だから自分も音楽的に関わりたい、歌だけではなくてサウンドづくりの面でちゃんと関わりたいというのがありました。

----- 今のギター・スタイルは、具体的にはどのようにして形づくられていったのでしょうか?

んー・・・、そういう音楽的なスタイルを求めて模索していた時期に、ステファン・グロスマン(※注)の教則ビデオに出会ったことが大きかったですね。実はその時までにクラシック・ギターの経験はあったので、スリー・フィンガーで弾くってことはまったく苦ではなく、普通だったんですけど、そのスリー・フィンガーをどう使うか?という課題はありまして、そこでステファン・グロスマン先生のビデオを観た時に、<あ、カントリー・ブルースという形で(スリー・フィンガーを)使えばいいんだな>って思ったんです。

----- しかし、ステファン・グロスマンの映像解説観てギターの技術を習得していくって、実際やってみると、かなり忍耐が必要ですよねぇ? 

要りますよね、たしかに。ブンチク♪ブンチク♪って親指でベース音鳴らしながら、上の3弦なり4弦でメロディーを入れていくものだっていうカントリー・ブルース・ギターの概念が、私にとってはまず大きな衝撃でした。確かに解説どおりに音を追ってくのは難しいんですけど、ブンチク♪ブンチク♪の感じに、ちょっとずつでもメロディーが乗っていけば、別にそれほど上手く弾けなくてもサマになるんです。だからそんなにつらいと思わずやっていったんですけど、とにかく独りで歌いながら弾ける奏法だっていうカントリー・ブルースの世界観が好きだったんですよ。そしてそれが、そのとき自分がやるべきことのように思えたので、特に考え込まずにやってましたね。

-----(その奏法で)イケる!って思えた最初の曲は何だったんですか?

何だったんですかねぇ・・・。よく覚えてないんですけど、おそらくそのとき持っていたステファン・グロスマンのビデオに入ってて、最初に解説していた曲なんでしょうね。「コケイン・ブルース」とかそういう簡単な、キーがCとかGのものだったと思います。実は私もあのビデオ、最後までやりきってなくて、途中でほっぽり出しちゃったんですよね。なので自分でも全然、ギター的に何かをマスターしたとは思っていませんが、その“心意気”は学んだような気がします。


※注:STEFAN GROSSMAN / ステファン・グロスマン
1945年生まれ。ニューヨーク出身。'60年代からイーヴン・ダズン・ジャグ・バンドやソロとして活躍。NYフォークブームの中、多くのアルバム、教則本をリリースし、カントリー・ブルースの再発見、紹介者として大いに功績ある人物。


※このインタビューは今年の1月に霞町音楽会のオフィシャルホームページに掲載した記事の再掲載です。

中村まりオフィシャルサイト http://www.marinakamura.net/

★近日のライブ予定
 ■6月23日(日)下北沢インディーファンクラブ
  open 11:00 / start 12:30 前売4,500円 / 当日5,000円
  ※中村まり出演ステージ:無印良品 15:30〜16:00

 ■7月20日(土) 下北沢lete〔ソロ・ワンマン〕
  open 19:00 / start 20:00 予約2,300円+drink / 当日2,600円+drink
  ※メール予約:lete
 
 ■8月1日(木) 渋谷クアトロ “3213 SESSION”
  出演:中村まり with 安宅浩司(g)
  ※2マン公演です。出演者の詳細は後日お知らせ致します。
  open 19:00 / start 19:30 前売3,500円 / 当日4,000円(ドリンク別500円)
  ※チケット発売 7月13日(土)〜

 ■“塚本功 & 中村まり 2DAYS” 
  8月10日(土) 浜松 ESQUERITA68
   出演:中村まり、塚本功
   open 18:00 / start 19:00 前売2,500円 / 当日3,000円(共にドリンク別)
   ※限定40名
   お問い合わせ:ESQUERITA68 esquerita68@gmail.com 053-485-9968

  8月11日(日) 名古屋金山ブラジルコーヒー
   出演:中村まり、塚本功、(ゲスト小川真一)
   open 19:30 / start 20:00 前売2,500円 / 当日3,000円(共にドリンク別)

2013年6月21日金曜日

明日から、中村まりさんのインタビューを再掲載します。

今年の1月のことでしたが、霞町音楽会 第4回 開催前に、中村まりさんのインタビュー記事を5回に分けて、霞町音楽会のオフィシャルホームページに掲載いたしました。

すばらしいお話をお伺いすることが出来、掲載より約半年経ちましたので、SOUND FINDERならびに霞町音楽会の兄弟サイトである当ブログにて《再掲載》いたします。

思えば昨年12月、しとしとと雨が降る新宿西口方面の喫茶店にて、1時間半ほどお話を伺いました。つたなく、しかもたよりない私の質問にも丁寧にお答えいただきまして、感激したことを覚えております。

明日から、5回に分けて再掲載します。 お楽しみに!

中村まり
アメリカン・フォークやシンガーソングライター、カントリー・ブルース、ブルーグラス、オールドタイム・ミュージックなどのアメリカン・ルーツ・ミュージックに影響を受けたサウンドで、英詞のオリジナル曲をアコースティック・ギターにのせて歌う。
2002年、完全自主制作アルバム『Traveler And Stranger』を発表。
MULE RECORDSより、2005年に1stアルバム『Seeds To Grow』、2009年に2ndアルバム『Beneath the Buttermilk Sky』をリリース。
弾き語りでのソロライヴをはじめ、数々のアーティストと共演・客演をしながら、フェスティバルや各地でのライヴ活動を行っている。
2011年、4人組弦楽器集団、ロンサム・ストリングスと共に、トラディショナルを中心とした新旧のカバー曲やオリジナル曲を収録したアルバム『Folklore Session』を、MIDIよりLonesome Strings & Mari Nakamura名義でリリース。同年、同メンバーで西日本ツアーを敢行し、フジロックフェスティヴァルのフィールド・オブ・ヘヴンに出演。 2012年、ライジングサン・ロックフェスティヴァルのボヘミアン・ガーデンに出演。
同年9月、『Folklore Session』の続編となるミニ・アルバム&DVD作品『Afterthoughts』をMIDIよりリリース。

オフィシャルサイト http://www.marinakamura.net/

★中村まり 近日のライブ予定
 ■7月20日(土) 下北沢lete〔ソロ・ワンマン〕※詳細はleteのHPにて発表
 ■“塚本功 & 中村まり 2days” 
  8月10日(土) 浜松
  8月11日(日) 名古屋 ※詳細は追ってオフィシャルサイトにて告知
 

2013年6月18日火曜日

霞町音楽会 第5回 は素晴らしい音楽会でした!

代官山の一等地にあるヒルサイドテラス。その地下にあるギャラリーPLAZAは、街の喧騒から隔絶された、独自の空気感を持つ綺麗な地下室。ところが、音響機器がセットされ、真ん中に舞台が配置され、椅子が並び、そしてピアノが置かれると、音楽が聴こえてきそうな、オーディエンスの歓声が聴こえてきそうな錯覚に陥ります。さらに壁面に町野三佐紀インスタレーション作品が映し出されると、会場全体に血が通い熱を帯びてくる・・・・・そんなドキドキする期待感が満ちてきます。
 さらに開演が近づいてくると、
撮影:今元秀明
満員御礼!

18時30分、本日最初の出演アーティスト、オオフジツボが登場。
撮影:今元秀明
オオフジツボ公式ホームページのトップ画面に、“風を切る哀愁 空駆ける旅情”というフレーズが掲載されていますが、まさにその言葉通りの情感あふれる演奏。ときおりたたみこむようなフレーズを“奏破”する壺井彰久のヴァイオリンに息をするのを忘れるほどで、聴く方も心地良い緊張感があります。とにかく驚異的なテクニックで美しいメロディが奏でられ、ヴァイオリン/ギター/アコーディオンの調和が見事!
撮影:今元秀明
5曲目の「雨の観覧車」では、まさにインスタレーションと音楽がぴたりと融合した瞬間で、眼前のあまりに美しい光景に息がとまってしまいます。
撮影:今元秀明
アイリッシュ音楽に影響を受けた音楽性をオリジナル楽曲に転化し、抜群の演奏力で聴かせるパフォーマンスに圧倒されました。

   オオフジツボ Song List
1.Eternal Reflection
2.yumenoato
3.光り踊る波
4.Alexandrite set
5.雨の観覧車
6.暁の地平
 2nd ステージは、ジャズ・ピアニスト 平戸祐介
撮影:今元秀明
 1曲目から、音が踊っているかのような華麗なるプレイに圧倒されてしまったのですが、スリリングでありながら色気を放つ演奏をピアノ越しに観ながら楽しめるのも、霞町音楽会 第5回の醍醐味のひとつでしょう。
撮影:今元秀明
 縦横無尽に自由にピアノを操る平戸祐介。突き抜けるような演奏で会場を躍動させます。
撮影:今元秀明
演奏の緊迫感とうらはらに、トークはお茶目といいますかユーモアたっぷりでして、それがまた平戸祐介の魅力のひとつ。

ところで、この写真でもおわかりのとおり、お客様がアーティストを取り囲む舞台設定では、どの場所で観ても楽しめることと、どの場所でも音が一緒で、しかも良い音で聴こえなければなりません。それはなかなかムズカシイことなのですが、舞台の周囲に置かれている、オブジェのようなこの自立式円柱型魔法的スピーカー、
これが霞町音楽会 第5回のキモ、であります。

3曲終わったところで、ついにbird 登場です!

撮影:今元秀明
平戸祐介に寄り添うように唄うbird。こんなステキなコラボレーションは他ではなかなか観ることができません!2011年12月に発売され、iTunesトップジャズソングになった、「生まれたてのメロディ」は、やはり名曲!

   平戸祐介 feat. bird Song List
1.FOUR
2.26-2
3.From day to day
4.Love Is A Losing Game〔with bird〕
5.生まれたてのメロディ〔with bird〕
6.nascimento

3rd ステージは、脱藩ギタリスト いちむじんがステージに!
撮影:今元秀明
 クラシック・ギターの概念を完全に変えてしまったイケメン2人です。2人合わせて12本の弦でこんなにも力強く、色彩豊かなアンサンブルができるものなのか!と驚きのステージ。もちろんテクニックが凄いだけでなく、まるでギターの“音が歌う”かのよう。
撮影:今元秀明
しかも、5曲目の「Rosso Rosa」では、観客総立ち!クラシック・ギターのステージでこんなすごい光景は初めて観ました。
撮影:今元秀明
最初のステージに出演したオオフジツボのヴァイオリニスト 壺井彰久がゲストで登場。曲は、いちむじんの代表作品でもあるNHK大河ドラマ「龍馬伝」紀行のテーマ曲。インスタレーションと音楽、お客様までもが一体となって溶け合う美しい瞬間でした。

   いちむじん Song List
1.Made In France
2.情熱大陸
3.ソライロ
4.ひだまり
5.Rosso Rosa
6.スパイス
7.あじさい
8.龍馬伝〔with 壺井彰久 from オオフジツボ

ところで、霞町音楽会 第4回に続いて、食事は欧風料理が美味しい、メゾン・ド・ハズキが会場内2ヶ所にカウンターを設置しまして、

客席に持参しやすいよう、美味しい欧風料理のメニューは串に刺されてご用意いただきました。
ほんっと、美味しいんです!

 もちろん、お酒、ソフトドリンク類も豊富。


さて、3アーティストの出演が大盛況のうちに終了しましたが、霞町音楽会はここで終わりではありません。霞町音楽会“名物”(?)のアンコール・セッションがありました。
どの音楽イベントでも、アンコールで出演したアーティストがステージ上に集まって演奏する、というのはよくあることですが、たいてい出演したアーティストの共通項である楽曲を探して、アドリブ合戦して盛り上がっておしまい、のパターンが多々みられます。しかし、霞町音楽会のアンコール・セッションは、主催者代表が選曲を提案しちゃう、ということが何となく定番化しており、今回も主催者代表指定曲合同演奏スタイルです。
今回はオオフジツボ ギタリスト太田光宏がアレンジを担当です。
撮影:今元秀明
1曲目は、名画「ニュー・シネマ・パラダイス」のテーマ曲ですが、曲名を発表したとたん、客席から大きな歓声が!
撮影:今元秀明
名うての演奏家たちが名曲を演奏する、その完成度たるや珠玉のものであります。 
撮影:今元秀明
さて、2曲目はチック・コリア作曲の「スペイン」。難易度高いこの曲を演奏するとあって、メンバーの集中力が火花散る瞬間でした。
     アンコール・セッション Song List          
1.映画「ニュー・シネマ・パラダイス」のテーマ
2.スペイン

インスタレーションを背景にして、研ぎ澄まされた感性で紡ぎだす音楽を超ハイレベルな演奏で体感した霞町音楽会 第5回でした。

次回、第6回は10月に開催です。素晴らしいアーティストにご出演いただきますので、
ご期待ください!

2013年6月16日日曜日

VOLOMUSIKSの方々にお逢いしました!

週末、霞町音楽会 第6回に出演する、VOLOMUSIKS(ヴォロムジクス)のメンバーと打ち合わせを兼ねてお食事ご一緒しました。

〈L→R〉  ピアノる:こまつゆか/ボーカる:こまつかおり
/SOUND FINDER代表:新川/ベースる:まつばやしだいき
“人生を豊かにする音楽”が彼女たちのコンセプト。ジャズ、ロック、ポップスがバランスよく絶妙に入り混じったサウンドに、独特な歌詞が跳ね踊るように乗り、個性的な音楽をつくり出しているすばらしきバンドです!


★VOLOMUSIKS オフィシャルサイト http://volomusiks.lomo.jp
★霞町音楽会 第6回 オフィシャルサイト http://kasumicho.soundfinder.jp




先行予約、まもなく閉め切り!
10月14日(月・祝)新宿BLAZE
出演:Obatala Segundo/Jaribu Afrobeat Arkestra、他(後日発表!)
   オープニングアクト: Volomusiks
料金:前売4,000円/当日4,500円(ドリンク代別)
※オールスタンディング
開場:16:30/開演:17:30
★先行受付期間:6月9日(日)00:00〜6月16日(日)23:59
受付URL http://eplus.jp/kasumicho-hp/

2013年6月9日日曜日

ご来場いただきましたお客様、ありがとうございました!

霞町音楽会 第5回、大盛況にて終了いたしました。ご来場いただきましたお客様、ならびにご出演のいちむじん様、平戸祐介様、bird様、オオフジツボ様、町野三佐紀様、そしてスタッフの皆様、ありがとうございました!

ステージを360度お客様が囲み、さらにお客様を囲むように町野さんのインスタレーション作品が壁に映し出されている芸術的空間で〈音楽を浴びる〉体験でした。また、メゾン・ド・ハズキさんのお料理が大変美味しかったことも霞町音楽会を素敵に演出してくれました。


いやぁーしかし、すごい音楽イベントでした!
写真は後日掲載致します。お楽しみに!


ところで、次回の【霞町音楽会 第6回】先行予約受付が始まっています!

10月14日(月・祝)新宿BLAZE
出演:Obatala Segundo/Jaribu Afrobeat Arkestra、他(後日発表!)
   オープニングアクト: Volomusiks
料金:前売4,000円/当日4,500円(ドリンク代別)
※オールスタンディング
開場:16:30/開演:17:30
★先行受付期間:6月9日(日)00:00〜6月16日(日)23:59
受付URL http://eplus.jp/kasumicho-hp/








2013年6月8日土曜日

本日開催! 霞町音楽会 第5回

いよいよ、霞町音楽会 第5回開催です!

当日券は、13時より発売いたしますので、まだチケットがお手許にない方、当日朝の天気予報見てから行くかどうしようか決めようと思っていた方などなど、13時にお越しくださいませ!
ちなみに本日多少曇っておりますが、雨は降らないそうです!


さて、会場ですが、
渋谷駅から東横線各駅停車の電車に乗りまして、一駅でございます。

代官山駅を降りまして、駅の外に出ますと、

こんな風景でして、この正面T字路を右折して、みずほ銀行のATMを左に見ながら、

まっすぐ行きます。すると、

すぐ十字路があるので、これを左折しまして、

この代官山交番前信号の歩道橋を通りの向こうっ側に渡りまして、右に進みます。すると、

こんな風景。これをまっすぐ・・・

おー、見えてきた!旗が立っているところが、

ヒルサイドテラス!

こちらの地下が霞町音楽会 第5回の会場でございます。

ぜひ、たくさんの皆様にご覧いただきたいと思います!


霞町音楽会 第5回 開催概要

出演:いちむじん平戸祐介 feat. birdオオフジツボ
日時:2013年6月8日(土)17時開場 18時30分開演
場所:代官山ヒルサイドテラス地下ギャラリーPLAZA 
    〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町29-18
料金:大人前売5,000円/当日5,500円 (ドリンク代別)チケットはこちら
    学生前売2,500円、当日3,000円  チケットはこちら
    ※中学生以下無料、但し保護者同伴に限る。
チケット予約 & お問い合わせ:サウンドファインダー terai@matchfinder.jp

■公演にあたって
※本公演はセンターステージで開催します。ご入場はチケット記載の整理番号順となりますので、良い席でご覧になりたい場合はお早目のご来場をお願いいたします。
※保護者同伴に限り中学生以下無料です。尚、高校生・大学生/専門学校生のお客様には学割でのご案内となります。当日は写真付き証明書をお忘れないようにご来場ください。
※会場内は禁煙です。指定の場所以外での喫煙はご遠慮ください。

プロデュース:サウンドファインダー

制作:BAJ
音響:株式会社ホワイトライト
照明:パープルヘイズ
食事:Maison de Hazuki
協賛:キリンビール各社